ちふれの歩み

ちふれは、化粧品が「高価で当たり前」だった時代に、どなたでも手にとりやすく、また使い続けやすい価格で安心してお使いいただける品質の化粧品をお届けしたい、という想いから生まれました。
「高品質な化粧品を適正な価格で」。
これは今も変わらない、ちふれの原点です。
そこには「化粧品を通して、人、そして社会の役に立ちたい」という初代社長の想いが息づいています。

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1947-1959

欧米視察中の島田松雄

ちふれ創業者・島田松雄が目指した企業像

1947年、当社の前身となる「アゼリア薬品工業株式会社」が誕生します。同社は戦後、石油事業停止を命じられた三菱石油株式会社が自社の人材や技術、設備を活用するために設立した化粧品の製造・販売会社でした。しかしながら化粧品の流通・販売に詳しい者はいなかったため、化粧品業界の商習慣に精通した島田松雄が社外から招かれました。
その後三菱石油株式会社の石油事業再開を機に、島田は全財産を投じてアゼリア薬品工業株式会社を独立させ、社長に就任。島田は創業当初から、贅沢で高価でなければならないという化粧品に対する先入観を払拭すべく、安全でコスト性に優れた化粧品の提供を目指していました。

1954年よりアゼリア薬品工業株式会社は流通コストの削減を目指して化粧品の訪問販売を開始します。その際の販売価格は当時の一般的な化粧品と同等の価格でした。
しかし1959年に日本化粧品工業連合会が主催する欧米視察に参加した島田は、米国では高価でなくとも立派な化粧品が売られていることに衝撃を受けます。そして帰国後、原料から製品を製造することでさらに製造コストを削減するなどの試行錯誤を重ね、当時の日本に定着していた化粧品価格の3分の1ほどの価格で、安心して使用できる品質の化粧品を作り上げました。

1950

お客様に寄り添う姿勢

島田が何より重視していたのは「お客様が本当に求める商品やサービスを提供すること」です。当時の化粧品業界は品質や効果よりも、きれいになりたいという女性の気持ちに訴える販売戦略が多く、島田はそういった業界のあり方に疑問を感じていました。そして自分もその一員であることに罪悪感を覚え、「自分の商売は価値がないことなのではないか」と思い悩む日々を過ごします。

この苦悩から始まる一歩が、のちの化粧品業界に新しい風を吹かせます。

 
島田松雄(1904~1969年)

当時の出来事

  • 1947

    ちふれ化粧品の前身となる「アゼリア薬品工業株式会社」設立

  • 1951

    島田松雄が全財産を投じて、同社を独立させ、社長に就任

  • 1954

    訪問販売を開始

  • 1955

    社名を「東京実業株式会社」に改称

1960-1969

1962年に発売を開始した100円化粧品

「100円化粧品」の実現

1960年代、日本の化粧品は高級志向が主流でした。当時の化粧品業界は輸入製品に対抗できるブランドイメージを作るために多額の広告費用を投資し、それにより商品価格は上昇。
そのような状況の中、島田は「女性たちの暮らしを豊かにしたい」という想いから、生活必需品になりつつあった化粧品を日用生活品に見合った価格で流通させようと考えます。広告を控え、容器をシンプルにすることで生産コストを削減し、ついに、良い品質でありながら手に取りやすい価格の化粧品が現実のものとなりました。

しかし、化粧品は高価で当たり前、安価な化粧品は品質が低いというイメージが浸透していたため、発売当初の売上は低調でした。それでも、高品質・適正価格での販売を諦めなかった島田の想いは思わぬ形で報われます。誠実な編集方針に定評ある雑誌が、化粧品を講評する記事で当社の化粧品を掲載。記事に注目した当時の全国地域婦人団体連絡協議会(全地婦連)※が当社に注目し、同会の会員向けに組織販売を開始したことで、「化粧品は高いほどよい」というイメージが払拭されました。また、島田のテレビ出演も影響し、風向きが変わっていきました。

※現在の「全国女性団体連絡協議会 」

参考:当時の化粧品相場は約500~1,000円、公務員初任給は約20,000円
(「国家公務員の初任給の変遷(行政職捧給表(-))」(人事院)より引用)

1960

「ちふれ」誕生のきっかけとなった昼食会

当時、日本最大規模の消費者団体であった全国婦人団体連絡協議会(全地婦連)※が、島田が目指す高品質な化粧品に関心を持ったことをきっかけに、島田をはじめとする当社の関係者数名と、当時の全地婦連代表との昼食会が開かれることとなりました。この昼食会での会話を通じて改めて互いの哲学や理念に共感しあい、信頼関係が生まれます。

※現在の「全国女性団体連絡協議会 」

1968年、全地婦連が商品流通の大半を担う形で、同会の会員向けの化粧品販売に関する契約が提結されました。
この時、全地婦連向けの化粧品ということで組織名の「地婦連」から名を授かり、「ちふれ化粧品」が誕生しました。

その後一般消費者にも知られ、購入できるようにしてほしいという声に応えるため、1971年には大手百貨店や有名量販店等の一般市場でも販売するようになりました。

 
ちふれ化粧品 販売の様子(1971年)

当時の出来事

  • 1962

    高品質・適正価格の化粧品を発売

  • 1967

    雑誌・テレビで取り上げられ話題に

  • 1968

    東京都衛生研究所の検査で品質にお墨付き

    「ちふれ化粧品」ブランドの発売

1970-1979

全成分・分量が表示された商品

全成分・分量の開示

当時の日本では化粧品による皮膚トラブルが多発していたことから、消費者には化粧品の成分を知る権利があると島田は考えました。
そこで1968年、「ちふれ化粧品」の発売と同時に製品に含まれる「全成分・分量」を公開。それは、表示の先進国アメリカのFDA(食品医薬品局)が表示を義務化する1975年の7年前、また日本が2001年に全成分の表示を法令で義務化する33年前のことでした。

さらに1978年には「全成分・分量」「製造年月」の商品本体への表示も開始。この姿勢は消費者にも評価されるようになりました。

1970年代前半

オイルショックから生まれた詰め替え化粧品

1973年の第一次オイルショックの影響により、あらゆる資源が不足し、物価が高騰。当社も容器原料のプラスチック不足に頭を悩ませていました。
「ちふれ化粧品」は限りある資源を大切にするとともに、価格維持のためにできることを模索し続けます。

その中で、化粧品を使い終わった後の“空の容器”に着目。シンプルな販売用容器に入った「詰め替え化粧品」を商品化することで、資源の節約と品質の安定、価格の抑制を実現しました。
その後も当社は今日に至るまで「詰め替え化粧品」のパイオニアとして、省資源活動の推進、環境保護について考え、取り組んでいます。

 
初期の詰め替え化粧品

当時の出来事

  • 1971

    「ちふれ化粧品」が一般市場で販売開始

  • 1973

    「100円化粧品」の価格据え置き宣言

  • 1974

    詰め替え化粧品を発売

  • 1978

    全成分・分量、製造年月を商品本体へ表示開始

1980-1989

環境に配慮したノンフロンガスのヘアスプレー

ノンガスのヘアスプレーと地球環境

1981年に発売された「ちふれ化粧品」のノンフロンヘアスプレー、セットローション、ヘアトリートメントスプレーが、環境保全型商品として「エコマーク商品」の第一号に認定されました。

再生PET樹脂を採用したノンフロンヘアスプレー詰替用も1992年に「エコマーク商品」に認定されています。

1980

消費者対応窓口の設置

当社は1980年、消費者との積極的なコミュニケーションを目指して、消費者対応窓口(当時の消費者室、後の愛用者室)をいち早く設置しました。さらに1992年には愛用者室にフリーダイヤルを設置し、消費者がより相談しやすい環境が整備されました。

現在、愛用者室に寄せられるご意見は月に1,000件を超え、その内容は、店頭のお客様の声とともに当社の商品やサービスに反映されています。

 
1992年当時の愛用者室

当時の出来事

  • 1980

    消費者室の設置
    ※現在の「愛用者室」

  • 1981

    ノンフロンヘアスプレーの発売

  • 1982

    川越新工場竣工、埼玉県・川越市への本社移転

1990-1999

「消費者志向優良企業」認定の賞状と盾

「消費者志向優良企業」として通商産業大臣より表彰

当社は1992年、「消費者志向優良企業」として通商産業大臣より表彰されました。「消費者志向優良企業」は、1990年に通商産業省(現・経済産業省)の産業政策局が発足させた制度です。

「消費者志向優良企業」は、品質保証、および消費者のニーズやご意見に関する対応や方針を半年間にわたり調査・審査し決定されます。当社は適正価格の化粧品の実現、全成分・分量の開示、容器や包装の簡略化、必要最低限の広告などの取り組みが評価され、表彰されました。

1990

新ブランド「綾花」の発売

日本では、1980年代後半から1990年代前半までのいわゆる「バブル経済期」に高級品への関心や消費が高まりました。
特徴的な成分を配合した化粧品が高額で販売される状況の中、当社は新ブランド「綾花」を発売しました。

高品質・適正価格、安心して使用できるという「ちふれ化粧品」のコンセプトに「エイジングケア※」を加えて誕生した「綾花」は、エイジングケア※ブランドとして百貨店で販売を開始しました。当社の美容部員(現 ビューティーアドバイザー)によるカウンセリングを受けられる対面型の店舗で、百貨店で扱われている他社の高額品に劣らない品質の化粧品を適正価格で提供しています。(現在は、国内のGMS(総合スーパー)などの対面型カウンターやドラッグストア、スーパーおよびオンラインショップ等でも販売しています。)

※年齢に応じた化粧品によるお手入れ

 
1991年発売当初の綾花ブランド

当時の出来事

  • 1991

    東京実業株式会社から、株式会社ちふれ化粧品に社名を改称

    エイジングケア※ブランド「綾花」発売 ※年齢に応じた化粧品によるお手入れ

  • 1992

    消費者志向優良企業として通商産業大臣に表彰される

  • 1996

    医薬部外品を発売

2000年以降

 

「ちふれ」が広告を開始

当社は2003年、広告を控える方針を切り替え、初めてのマスメディア広告を実施します。広告を打たずに35年間にわたり人気を維持してきたことは、「ちふれ」の品質の高さを裏付ける一方、多数の化粧品ブランドが誕生し情報が溢れる時代背景の中で「ちふれ」は苦戦を強いられていました。

そこで、高品質で適正価格の化粧品を多くの消費者に知っていただくことを目的に、それまで控えてきた広告を実施することにしました。テレビCM等の広告活動により、ブランドの認知度が上がり、新たな顧客の獲得につなげることができました。

2000

40年以上にわたる詰め替え化粧品の提供

1974年に詰め替え化粧品を発売した「ちふれ」は2014年、詰め替え化粧品発売から40周年を迎えました。発売日の6月25日は、「詰め替えの日」として日本記念日協会に登録されています。

その背景には「社会に対し、環境保護の大切さを感じていただきたい」という想いが込められています。当社は今後も、使いやすく環境に配慮した詰め替え化粧品の充実に取り組んでいきます。

 
詰め替え化粧品

当時の出来事

  • 2003

    広告方針を変更し、初めての広告に踏み切る

    川越工場においてISO9001の認証を取得
    ※ISO9001の認証の更新は2023年10月まで

  • 2007

    ジャパン・オーガニック株式会社を設立

  • 2008

    島田雄二が社長から会長へ

    国産オーガニック コスメブランド「do organic」を発売

  • 2010

    川越工場においてISO14001の認証を取得

    「ちふれ」の中国での販売開始

    片岡方和が社長に就任

  • 2011

    バイオポリエチレン容器導入

    サッカーチーム「ASエルフェン狭山(現・ちふれASエルフェン埼玉)」とスポンサーシップ契約を締結

    島田雄二が会長から名誉会長へ。島田惠津子が会長に就任

  • 2013

    大阪営業所を開設

    女性起業家支援制度導入

    ちふれ飯能グラウンドを埼玉県飯能市に開設

  • 2014

    全国婦人会館・ちふれビル(渋谷オフィス)完成

    詰め替え化粧品40周年を記念し、「詰め替えの日」を制定

    飯能研修センターを埼玉県飯能市に開設

  • 2015

    「肌には知る権利がある記念日」を制定

    「ちふれ」のタイ王国での販売開始

    高知の名門よさこいチーム「とらっくよさこい」への協賛開始

  • 2016

    「ちふれ」の台湾での発売開始

    東京理科大学 生物・化学奨励賞への寄付を実施

    株式会社日本色材工業研究所に出資

  • 2017

    創業70周年を迎える

    理化学研究所と技術指導契約および共同プロジェクト開始

  • 2018

    さらなる品質向上と生産体制強化のため、埼玉県飯能市に工場を建設

    ちふれホールディングス株式会社へ商号変更

    プレステージブランド「HIKARIMIRAI」を発売

    化粧道具ブランド「BEAUTY UP TOOL」を発売

    株式会社エルフェンスポーツクラブを設立

  • 2019

    「ちふれ」のマレーシアでの販売開始

    埼玉県川越市に「ちふれあい保育園」を開園

    さらなる研究・開発力向上のため、埼玉県川越市に研究・開発拠点「ちふれ ビューティー サイエンス センター」を開設

    「ちふれ」のシンガポールでの発売開始

    ナチュラルコスメブランド「do natural」を発売

    「ちふれ」の韓国での販売開始

    「ちふれ」のカンボジア王国での販売開始

    「ちふれ」の香港での販売開始

  • 2020

    「ちふれ」のベトナムでの販売開始

    ちふれ六義園ビル(文京オフィス)開所

    「ちふれ」の中国向け越境EC市場参入

    「ちふれ」のブルネイでの販売開始

  • 2021

    一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)に入会

  • 2022

    メイクアップ化粧品OEM・受託製造会社 株式会社アイメイトをグループ会社化

    「化粧品カーボンフットプリントの日」を制定

  • 2023

    「ちふれ」のモンゴル国での販売開始

  • 2024

    本社・川越工場、飯能工場においてISO22716の認証を取得

    株式会社アイメイトの八潮工場においてISO22716の認証を取得

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