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「ヒスタミンによる皮膚タイトジャンクションバリア減弱に対するグリチルリチン酸ジカリウムと異性化糖の効果」 第41回日本美容皮膚科学会総会・学術大会における口頭発表のご報告

技術・研究開発

2023/08/21


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ちふれホールディングス株式会社(本社:埼玉県川越市、代表取締役社長:片岡 方和)は、第41回日本美容皮膚科学会総会・学術大会(2023年8月18日~20日)*1において、「ヒスタミンによる皮膚タイトジャンクションバリア減弱に対するグリチルリチン酸ジカリウムと異性化糖の効果」についての研究成果を発表したことをご報告いたします。

■発表タイトル
「ヒスタミンによる皮膚タイトジャンクションバリア減弱に対するグリチルリチン酸ジカリウムと異性化糖の効果」

■本研究の背景
私たちの皮膚は、体内の水分をコントロールするとともに、外部からの異物や刺激に対して、体の内部を保護する役目がある大切な器官です。そのため当社では、皮膚の保湿機能やバリア機能の改善に効果的な素材の組み合わせを研究してまいりました。
健常な皮膚の表皮には、タイトジャンクション*2(以下、TJ)というタンパク質からなるバリア機能を持つ組織があり、角層に続く第2のバリアと呼ばれています。近年、このTJは皮膚の奥から延びてくる余分な神経線維を剪定し、外部からの刺激を過剰に感じない状態にしていますが、アトピー肌ではTJの形成不良により神経線維の剪定異常が見られ、角層直下まで神経線維が伸長し、痒みの過敏を引き起こすとの研究結果が発表されています。
敏感肌は、ヒリヒリ、チクチク、痒みなどの不快感が健常な人よりも生じやすいことが知られており(感覚過敏)、アトピー肌と敏感肌は、バリア機能の破綻や痒みを伴うなど多くの類似性を持ちます。このため、神経線維の剪定異常は敏感肌でも起こっている可能性があり、これが原因で感覚過敏になっていると考えられます。

■研究成果
このたび当社は、敏感肌を模した試験系を構築し、そこで生じるTJ形成不良に対し、グリチルリチン酸ジカリウム、異性化糖、及び両成分の組み合わせが、TJの形成不良に対して改善効果があることを見出しました。

<試験例>
①敏感肌を模した試験系を構築し、TJの形成不良が起きるか確認する。
正常ヒト表皮角化細胞にヒスタミン*3を作用させ、経上皮電気抵抗値(TER)を測定し、TJの状態を評価しました。
敏感肌を模した試験系を構築し、TJの形成不良が起きるか確認する試験の結果
ヒスタミンによりTERの低下が見られたことから、敏感肌を模したin vitro試験系を構築できたと判断しました。

②構築した試験系で、グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)と異性化糖の有用性評価(TJ形成不良を抑制できるか)
①の評価モデルに、グリチルリチン酸ジカリウム、異性化糖を添加し、TERを測定し、TJの状態を評価しました。
構築した試験系で、グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)と異性化糖の有用性評価(TJ形成不良を抑制できるか)の結果
ヒスタミンによりTERが低下し、異性化糖単独、あるいはグリチルリチン酸ジカリウムとの併用によりTERが上昇しました。

以上のように、TJバリア減弱化を軽減させる効果を持つことが期待できる知見を得ることができました。本知見は、敏感肌、ユーザーの悩み解決の一助になると期待しています。

<イメージ図>
TJバリアが成熟することで敏感肌ユーザーの悩み解決になると考えられるイメージ図
TJが未成熟だと神経線維が角層付近まで伸びており、感覚刺激につながる可能性がある(左図)。
TJが成熟していると、余分な神経線維は剪定される(右図)。


現在、本研究成果を応用して、当該成分を配合した化粧品の開発を進めております。当社はお客様のニーズにお応えするべく、今後とも研究を重ね、新たな商品の開発に向け取り組んでまいります。

*1…美容皮膚科学に関する研究やその成果の普及、支援、交流を目的とし、主に医師、大学、企業の研究者が 集まる学術大会
*2…表皮顆粒層に形成される密着結合。皮膚のバリア機能に重要な役割を持つ
*3…代表的な起痒物質



リリースPDFデータ[PDF0.83MB]



※ ここに掲載されている情報は、発表時(2023年8月21日)の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、予めご了承ください。

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