ヒアルロン酸ナトリウムを活用し、
保湿力の高い美容液を開発

美容液の保湿力を高めたい。その想いを叶えるため、1990年、綜合研究所は新しい保湿成分として、ヒアルロン酸ナトリウムに注目。ヒアルロン酸ナトリウムを配合することで保湿力を高め、肌の潤いをより保つ美容液開発をめざしました。そうして綜合研究所が開発した美容液は、そのコストパフォーマンスの高さも相まってヒット商品となりました。

保湿美容液の開発競争に参入

1990年代に入ると、化粧品市場はユーザーニーズの多様化が顕著になってきました。各社が多様化する新規ニーズに応えるため、新規の原料開発や新たな機能性の追求に力を入れ、競い合うようになり、結果的に化粧品の製造技術も大きく進歩していきました。
そんな中で、高価格帯化粧品の新カテゴリーとして注目されるようになったのが美容液でした。その開発競争をめぐっては外資系メーカーが先陣を切り、続いて国内メーカーも粘性のある保湿美容液を開発、人気を集め始めていました。こうした流れの中でちふれブランドでも、美容液の新商品開発が新たな課題となり、その開発に取り組みました。

化粧品開発における永遠のテーマ「保湿」

保湿は、化粧品開発における永遠のテーマです。通常、皮膚の角層では10~20%の水分が保たれ、肌はみずみずしく保たれています。ただ加齢に伴って保水力が低下し始め、みずみずしさが徐々に失われていきます。衰えた角層での保湿には、油分と保湿剤の添加が有効です。
綜合研究所が開発に着手した当時、新たな保湿成分として注目されていたのが、ヒアルロン酸ナトリウムでした。ちょうどその頃、新たなバイオテクノロジーにより品質の安定したバイオヒアルロン酸ナトリウムが製造されるようになっていたこともあり、これを素材として保湿感のある美容液開発をめざしました。
開発はまず、他社製品の徹底調査から開始。当時は現在のような全成分表示は義務付けられていなかったため、他社製品の成分を、使用感、色、匂いなどを手がかりとしてきめ細かく調べていきました。

ヒアルロン酸ナトリウム イメージ写真

「ヒアルロン酸ナトリウム」イメージ写真

厳密な審査をクリア、美容液の新商品開発に成功

各社商品の精査に続いて行われたのが、当社商品の独自性を確保すること。先行して上市されている他社商品を吟味し、ユーザーメリットやコストなどの評価軸において、ちふれブランド独自のポジションを確立する。そのためには、主成分となるヒアルロン酸ナトリウムの配合量はもとより、どのような成分組成を取るべきかと検討が重ねられました。
原料メーカーへのヒアリングを重ねてサンプルを何度も製造し、試行錯誤を重ねながら処方を詰め、最終的に成分配合と処方を確定した後に、薬事申請書類を作成しました。当時の化粧品製造許可申請は、現在の医薬部外品と同様に製品個別許可制だったため、最終的に成分配合と処方を確定した後に薬事申請書類を作成しました。主成分のバイオヒアルロン酸ナトリウムは、当時はまだ新規成分であり公定書に収載されておらず、別途、規格書を準備して提出する必要がありました。
その後、3カ月の審査期間を経て許可が下り、当社第1号の美容液として上市されました。

衝撃的価格での販売開始により注目の的に

美容液は、化粧品の中でも新たなカテゴリーであり、高機能・高価格として位置づけられていました。当時の他社商品の販売価格は約5,000円~10,000円ほどで美容液は明らかに高価格品でした。
この新規市場の中で、ちふれブランドはどのようなポジションを取るべきか。基本方針は明確であり、適正価格で良いものを提供することです。そこで設定された価格は400円。この価格は既存市場に対して大きな衝撃を与えました。
この間、上市に至るまでには社内で何度も議論が重ねられました。そもそも高価なヒアルロン酸ナトリウムが成分として必要なのかといった“そもそも論”から始まり、その配合量についての検討が重ねられ、最終的には使用感を決め手とする判断が行われました。
議論を尽くした後に行われた工場試作では、1バッチの製造を小規模の製造タンクで想定してテストを行いました。なぜなら当初設定した商品の内容量がわずか30ミリリットルであり、売上数もそれほど多くを期待していなかったためです。
ところが試作を経て新商品を発売した時点で、この想定が大きく間違っていたことが明らかになりました。既存の美容液市場の常識を覆す価格がユーザーに高く評価され、大ヒットとなったのです。最終的にはリピート発注の多さに対応するため、製造工程を大規模の製造タンクに急遽変更するほどのヒット商品となりました。
 

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